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ピラティス エルダー Pilates Elder(長老たち)⑨

メアリー・ピラティス(Mary Pilates)

ジョセフ・ピラティスの姪であり、第一世代のエルダーでもあるメアリー・ピラティス。ピラティスの歴史の中で注目を浴びるべき重要な人物のはずですが、彼女に関する情報はそれほど多く出てきません。
それには、ピラティスに対する彼女の興味深い向き合い方が関係しています。
 
18歳のときに両親に連れられて、ニューヨークの叔父、ジョセフ・ピラティスのもとに行きました。それから3年間ジョーのもとで暮らし、スタジオでピラティスメソッドを学びながら、セッションの手伝いをして過ごしました。
メアリーはピラティスの技術を身につけたものの、ほかのエルダーのようにスタジオを開設したり、人に指導したりすることはありませんでした。
かといってピラティスに対する情熱や関心が薄かったわけではなく、一人密かにジョーの教えを日々実践していました。彼女の情熱を示す証しに、ジョーやピラティスに関する膨大な記事を集めたスクラップブックがあります。古くは1970年代のものがあり、長らく記事を収集していたのです。メアリーにとってピラティスは、生計を立てるためのビジネスではなく、自分や身内のために行うものとして大事にしている生活のなかの技術でした。
 
ピラティスメソッドは徐々に世の中に浸透していき、彼女の姓でもある「ピラティス」ということばが、度々巷で取り上げられるようになりました。それでもメアリーは表に出ることはなく、それまで通り、ただ黙々と一人ジョーのエクササイズを実践するだけでした。
 
世間がメアリーを「発見」したのは2000年、ピラティススタジオを経営するM.J.Mermerが、ピラティスのセッションで生徒の一人と話したことがきっかけでした。
その女性は、「自分はメアリーと友人である」と告白したのです。それからその生徒の仲介でMermerはメアリーと出会い、メアリーからピラティスのトレーニングを受けるようになりました。そのときメアリーは80歳でした。
 
メアリーは生来物静かな人ですが、ピラティスが間違った方法で行われているのを見ると怒るといいます。
ピラティスが有名になり、さまざまな経歴の人が新しいピラティスの試みを行うなど、その定義が曖昧になるなかで、メアリーはジョー由来のメソッドに最大の価値を置き、ピラティスとはどうあるべきか示し続けています。
 
2000年代には、メアリーはピラティスの集会に顔を出すようになり、エルダーとして紹介されるようになりました。突如ピラティス界に現れた高齢の女性を見てにわかには信じがたく、聴衆の中には本当にジョーの姪か、エルダーなのかと懐疑的な目線を送る人もいました。メアリーはその疑念を、最高難易度のピラティスの動きを見せることで鮮やかに打ち消しました。
メアリーはジョーの著書「Return to Life」で紹介されている動きをすべて行っていました。60年以上、誰に見せるわけでもなくピラティスを日課として実践しており、完璧に再現できるようになっていたのです。
スタジオを経営したわけでも生徒を持ったわけでもありませんが、そうしたメアリーのピラティスとのかかわり方に、ピラティスというエクササイズへの信頼と純度の高い愛情、そして創始者ジョセフ・ピラティスへの深い尊敬を感じます。

 

 

 

 

 

 

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